朝日新聞によると、栃木市では大津市のいじめ事件をきっかけに、臨床心理士や指導主事からなる「児童・生徒支援チーム」を市教育委員会に設置したそうです。市内の全小中学校を定期的に巡回し、今まで把握できなかったいじめを発見し、状況に応じて専門家が対応することで深刻化する前に解決するのが狙いとなっています。
支援チームは、学校教育課長をリーダーに指導主事、臨床心理士、学校教育支援専門員ら10人で構成されています。市内の小学校27校と中学校13校を9月から1~2カ月ごとに巡回。指導主事たちは学級担任や管理職と面談し、臨床心理士は児童生徒や保護者の相談に乗ってメンタルケアを行います。
教職員間での認識が違っていたり、各学校内で抱え込んでしまっているいじめを早期発見して、問題の状況に合わせて解決していきます。必要に応じては警察署や児童相談所の支援も要請するそうです。
市内では夏休み明け、全小中学生約1万1600人を対象にいじめに関するアンケートを無記名で実施します。今まで栃木県内ではこうした取り組みがなかったそうです。
市が7月17日にまとめた調査では、小学校12件、中学校23件の計35件のいじめと判断される事例がありました。鈴木俊美市長は、定例会で「まだ把握できていない問題を掘り起こし、いじめが深刻化する前に防いでいきたい」と話していたとのことです。